風しんって聞いたことありますか?
麻しんのちょっと弱い感じの病気?という認識をお持ちの方も多いかと思います。風しんを流行させないように、国や都道府県や市町村が抗体検査や予防接種の費用に補助(=助成)を出しています。
そもそも風しんとは?
風しんは大人も子どももかかる病気で、高熱や発疹などの症状が出る人もいれば、症状が出ない人もいます。まれに合併症などが起こります。
一度風しんになると、一生かからないとは言われているので、「風しんって罹っても治るから大丈夫でしょ?」と思うかもしれませんが、特に妊婦さんには絶対かかってほしくない病気なのです。
妊婦さんが風しんに罹ると…
妊婦さんがもし風疹に罹ってしまうと、お腹にいる胎児が先天性風しん症候群になる恐れがあります。先天性風しん症候群というのは、心疾患、難聴、白内障などの病気をもって生まれてくることです。病気によっては、生まれた後手術することも必要になってきますし、難聴だと人工内耳などを検討をしたりします。子どもの成長発達にも影響してくるので、子どものために、できれば妊婦さんは罹らない方がいいんです。
保健師としてのブログにも、妊婦さんの風疹について記事を書いているので、良かったら見てください!
妊婦さんが風しんにかからないようにするために
生まれてくる子どもを守るために、妊婦さんが風しんに罹らないようにするためには、社会全体として風しんを流行させないようにしないといけません。風しんを流行させないように、
- 子どもの定期接種で子どもが感染するのを防ぐ
- 妊娠を希望する女性が風しんの抗体検査をして、風しんの抗体が基準値に満たないのであれば風しんの予防接種をする
- 妊娠を希望する女性の配偶者・妊娠している女性の配偶者も風しんの抗体検査をして、風しんの抗体が基準値に満たないのであれば風しんの予防接種をする
- 風しんの抗体が少ない世代の男性(昭和37年4月2日から昭和54年4月1日生まれの男性の方)が風しんの抗体検査をして、風しんの抗体が基準値に満たないのであれば風しんの予防接種をする
ということが大事です。風しんの抗体検査と予防接種については②③の妊娠を希望する女性+周囲の方々と、④の昭和37年4月2日から昭和54年4月1日生まれの男性の方と分けて説明します☆
②③妊娠を希望する女性と周囲の方々の風しんの抗体検査と予防接種
妊娠を希望する女性と周囲の方々に関しては、抗体検査は大阪府が助成しており、予防接種は高槻市が助成をしているという感じになります。
抗体検査について(無料)
妊娠を希望する女性と周囲の方々に関しての抗体検査は大阪府のHPから詳細が見られます。
昨年度までの対象者は
- 妊娠を希望する女性
- 妊娠を希望する女性の配偶者
- 妊婦の配偶者
だったのが、今年度から
- 妊娠を希望する女性の同居者
- 妊婦の同居人者
も追加されています。それだけ国が風しんの流行を止めたいと思っているという事ですね。
予防接種について(一部自己負担の可能性がある)
予防接種については高槻市が助成をしています。
注意していただきたいのは、
- 抗体検査で風しんの抗体が低いという検査結果が必要
- 検査結果を持って、事前予約をして病院を受診する
- 協力医療機関にて接種するので、どこの病院でもできるわけではない
- 大阪府の抗体検査は「妊娠を希望する女性の同居者」「妊婦の同居人者」が追加されているが、高槻市の予防接種の対象ではないので恐らくその方々は抗体が低くても、予防接種の助成はない
- 風しんのワクチンなら全額補助であるが、麻しん風しんのワクチン(MR)であれば、上限8000円までの補助
という感じです。(2024年4月現在)
内容の変更がある可能性もあるので、適宜ご自身で大阪府・高槻市のホームページを確認して、抗体検査と予防接種をしてくださいね。予防接種の値段については、接種を希望する病院に問い合わせたら教えてくれると思います☆
④昭和37年4月2日から昭和54年4月1日生まれの男性の方の抗体検査と予防接種(無料)
昭和37年4月2日から昭和54年4月1日生まれの男性の方って、風しんに何が関係するの??と思われがちですが、その方々の時代は、風しんのワクチンを無料で受けられるのは女性だけでした。男性は全く打っていないという感じです。なので、その方々は抗体がきちんとあるかを調べてもらい、抗体が無ければ接種をしてくださいと国が呼び掛けているんですね。
昭和37年4月2日から昭和54年4月1日生まれの男性の方に関しては、抗体検査も予防接種も高槻市が窓口になっています。
この年代の方々は、パートナーが妊娠中であったり、お孫さんがいらっしゃる年代になるので、思っているよりも妊婦さんに接触する機会は多いです。
この事業はR6年度までとされています。それが延期されるかされないかは今のところ分からないので、対象の方は無料なので早めに抗体検査をして必要であれば予防接種をしておきましょう。
※妊娠したら風しんのワクチンは打てません※
注意していただきたいのが、妊娠中は風しんのワクチンを打つことができません。妊娠前に風しんのワクチンを打ったら、2か月は避妊するように言われます。なので打つ機会としては、
- 結婚して子どもを考えているのであれば、早めに調べて必要であれば打っておく
- もし知らずに妊娠したら、妊娠中に風しんの抗体を妊婦検診で調べるので、抗体が低ければ出産後にすぐに打っておく
というのが大事かと思われます。
みんなで自分と周囲と生まれてくる赤ちゃんを守る
感染症に関しては、予防接種がある感染症であれば、予防接種で自分や周囲を守るしかありません。罹ってもいい病気なんてないので、是非自分を守るため、そして周囲を守るためにも、可能であれば予防接種をお勧めします☆
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